HAIR CARE JOURNAL

キューティクルとは?髪の艶と手触りを左右する表面構造

光の当たり方で髪表面の艶と短い毛が分かる後頭部の実写

「キューティクルが傷んでいると言われたけれど、どういう状態ですか」

「トリートメントでキューティクルは元に戻りますか」

茨木市で縮毛矯正や髪質改善を担当していると、このようなご相談があります。キューティクルは髪の表面を守る大切な構造ですが、艶がない、絡まる、広がるといった悩みを、すべてキューティクルだけで説明することはできません。

大切なのは、表面の状態と、くせ、髪の内部、これまでの施術履歴を分けて見ることです。美容師歴20年の経験をもとに、キューティクルの役割と、サロン施術・ホームケアでできることをお伝えします。

キューティクルは髪の一番外側を覆う層です

髪は大きく分けると、表面のキューティクル、その内側のコルテックス、中心部に見られることがあるメデュラで構成されています。

キューティクルは一枚の膜ではありません。薄い細胞が、毛先へ向かってうろこのように何層も重なっています。内側のコルテックスを外部の刺激から守り、水や薬剤が出入りする時の壁にもなります。

表面には18-MEAと呼ばれる脂質の層があり、髪同士の摩擦を抑え、水をはじきやすい性質や滑らかさを支えています。カラー、ブリーチ、パーマ、縮毛矯正、熱、紫外線、毎日の摩擦が重なると、この脂質やキューティクルの端が変化し、指通りや艶の感じ方にも影響します。

ただし、肉眼でキューティクル一枚一枚を見ることはできません。「パヤパヤしているから、キューティクルが開いている」と見た目だけで断定するのは避けています。

艶がない原因は、表面の傷みだけではありません

髪の艶は、表面で光がそろって反射することで見えやすくなります。キューティクルの摩耗や付着物で表面が不均一になれば、光が散り、艶が弱く見えることがあります。

一方で、髪自体が健康でも、うねりやねじれで毛流れがそろわなければ光は散ります。カットでできた短い毛、湿気による広がり、乾かし方、スタイリング剤の残り方でも、見え方は変わります。反対に、表面をオイルやアイロンで整えれば、一時的に強い艶を出すこともできます。

つまり「艶がある=傷んでいない」「艶がない=キューティクルだけが原因」ではありません。僕は、乾いた時の光の反射だけでなく、濡れた時の弾力、根元・中間・毛先の差、カラーや縮毛矯正の履歴、毎日のアイロンまで確認します。

「キューティクルを閉じる」という言葉だけでは足りません

ホームケアの説明では「開いたキューティクルを閉じる」と表現されることがあります。分かりやすい言葉ですが、ドアのように毎回きれいに開閉し、傷んだ部分まで元通りになるわけではありません。

トリートメントやコンディショナーは、髪の表面へ成分を付着させ、摩擦を減らし、手触りを整える助けになります。適切な処理剤も、施術中の負担を抑え、次の来店まで扱いやすく保つために使えます。

しかし、欠けたり失われたりしたキューティクルを、生えてきた時と同じ構造へ再生することはできません。よくある失敗は、手触りが悪いほど濃いトリートメントやオイルを重ね、髪が乾きにくい、べたつく、根元がつぶれる状態にしてしまうことです。必要なのは、補う量を増やすことより、摩耗や負担をこれ以上増やさないことです。

カラーや縮毛矯正では、表面だけを整えて終わりません

カラーや縮毛矯正では、薬剤を髪の内部へ働かせるため、キューティクルやその間にあるCMCを含めて髪全体の状態を考えます。

僕が最初に見るのは、現在の手触りだけではなく履歴です。新しく伸びた根元、白髪染めを重ねた中間、以前の縮毛矯正が残る毛先では、必要な薬剤も耐えられる熱も違います。根元と毛先へ同じ薬剤を塗り、同じ温度・速さ・回数でアイロンを通す設計にはしません。

表面がなめらかでも、内部の弾力が低下している髪はあります。反対に、少しざらついていても、原因が付着物や乾かし方にあり、強い薬剤を使う必要がない場合もあります。処理剤で手触りを整えられても、薬剤と熱の負担を帳消しにはできません。

毛先のキューティクルが大きく摩耗し、濡れた時の弾力も弱い場合は、毛先へ縮毛矯正を重ねないことがあります。施術を見送り、ホームケアとカットで少しずつ整えるのも、髪を残すための判断です。

ホームケアは「こすらない・熱を集めない」が基本です

キューティクルを守るために、特別な商品より先に見直したいことがあります。

  • シャンプー前に十分に濡らし、髪同士を強くこすらない
  • 濡れた髪をタオルでねじらず、挟むように水分を取る
  • 目の粗いコームで、毛先から無理なくとかす
  • 根元から乾かし、ドライヤーを一か所へ当て続けない
  • アイロンは完全に乾いた髪へ、必要な部分だけに使う
  • 中間から毛先には、髪質に合う量のトリートメントやアウトバスを使う

濡れた髪は摩擦の影響を受けやすく、自然乾燥で長く濡れたままにすることも負担になります。ドライヤーは近づけ過ぎず、動かしながら乾かします。細い髪へ重い油分を多くつける、硬くなった毛先へ毎日高温のアイロンを重ねるなど、良かれと思ったケアが扱いにくさにつながることもあります。

半年後・1年後は、残っているキューティクルを守ります

髪は毛先ほど長い期間、カラー、洗髪、紫外線、熱、摩擦を受けています。今ある毛先を完全に新品へ戻すのではなく、状態を見ながら残し、次に伸びてくる髪へ同じ負担を重ねないことが現実的です。

半年後に根元の縮毛矯正をするなら、すでに形が整った毛先へ薬剤を重ねない。1年後も白髪染めと縮毛矯正を両立するなら、カラーの範囲、薬剤の強さ、熱の入れ方、処理剤、ホームケアを一つの計画にします。

キューティクルを守るとは、表面へ何かを塗ることだけではありません。履歴とダメージレベルに合わせ、施術する場所としない場所を分けることまで含みます。

まとめ|キューティクルだけで髪の悩みを決めません

キューティクルは髪の一番外側で、内側を守り、摩擦、手触り、艶に関わる構造です。トリートメントで表面を整え、扱いやすくすることはできますが、失われた構造を完全に再生するものではありません。

茨木市で髪質改善や縮毛矯正ができる美容室を探していて、「艶が出ない原因が傷みなのか、くせなのか分からない」「トリートメントを増やしても絡まりが変わらない」という方は、表面だけでなく髪の履歴から整理することが大切です。

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